2018年6月16日、私は実に52年ぶりに千駄ヶ谷駅を降り立ちました。1966年3月北海道旭川工業高校土木課を卒業して東京のパシフィックコンサルタンツに入社した私は毎週3日間は午後4 時に仕事を終えて千駄ヶ谷駅前にあった津田塾英語会に通っていました。
なつかしく思いながら約束よりも1時間以上も早く来て52年の歳月を振り返りました。
そこは桜美林大学千駄ヶ谷キャンパスという美しい建物の中にありました。玄関ホールに入ると大学院生たちが行き交う研究所らしい雰囲気でした。
アジアユーラシア総合研究所のお部屋に入ると川西先生が暖かく迎えて下さいました。壁一面に本が並んでいてここでアジアやユーラシアの研究をしていることがわかりました。私の知っている本が目に飛び込んできました。河合栄次郎著『学生に与う』でした。高校時代カバンに入れていてボロボロになるまで読んだ私のバイブルともいえる本です。それがこの研究所で復刻されていました。
川西先生とお会いするのはこれが2回目です。先般は名刺交換しただけでしたが、神戸で川西先生の講演が終わったときに質問カードに質問を記載したことに対して丁寧な返信がメールでありました。それが縁で今回訪問しました。
先生は神戸で『賀川豊彦著作選集全5巻』完結発表のために講演されました。
賀川豊彦は神戸の人で日本を代表する著名な社会起業家であるだけでなく300冊近い本を書いた思想や理想を持った人です。『死線を越えて』を読んだことがあります。アジアユーラシア総合研究所で賀川豊彦の本を復刻したのです。私は偉大なことが起きていると思いました。そして敬意を表しながら二つ質問しました。
① 賀川豊彦ほどの社会起業家はいないと思いますが、現代において社会起業の基盤をつくろうと思えば賀川豊彦を読めばそれが可能か。
② もし社会起業をなしたとして、それに若者が参加した場合、その若者に希望を与えることができるか。


実績はあるのに社会基盤がない場合どのようにして社会基盤を造成するのか、若い人が一緒に活動したいと申し出てきた場合どのような社会基盤が造成できれば希望を与えることができるのか、そういう具体的なことを質問していることになります。
川西先生は本棚から本を4冊取り出して私に下さいました。私はこの本の中にその回答があると考えてありがたく頂戴して帰ってきました。それらの本の表紙を画像にしています。
(報告者:沓澤正明)
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