2012年4月9日月曜日

モルドバで見聞きした農業の問題について

モルドバで見聞きした農業の問題について


モルドバ復興支援協会 報告者 鎌田 光希


農業所得の低さから農家の後継者不足、耕作放棄地の増大、そして農村の過疎化。これらの問題は日本でも同じだ。

農家の資金不足についても同様だが、モルドバの場合はローンが組めないことが大きな障害となっている。



また、銀行から金を借りようにも、金利が20%と、高すぎるということもある。

さらに、カザネスティの校長が日本からの支援を知らなかったように、どんな支援制度あるのかが、農家に知られていない。

今行われている日本政府からのトラクターの無償支援は実現するまでに紆余曲折あり、現在でも問題だらけなようだが、恩恵を受ける農家が一戸でもあるのなら積極的に受けるべきだと思う。



これらの問題を解決するのは容易ではないが、モルドバの農家が個人個人で取組むのではなく、日本でいう農協のような組織を立ち上げることが解決に向かう第一歩になるのではないだろうか。事実、オルヘイではそういった組織が20年前地域で作られ、今でも存続し、成功していると聞いている。

モルドバの農家は日本と比べて一戸が大きな敷地面積を有している大農家だが、農家同士で連携している様子がない。

地域ごとに連携し、組織化をすれば、支援制度などの情報収集や組織内での機械設備の貸し借りなど、メリットは大きいだろう。

農業所得の向上が見られれば、海外に出稼ぎに行っているモルドバ人も戻り、問題解決の第一歩となるだろう。



今回の旅の中で、いつか、一度この国でブドウを作ってみたいと思えた。

この国の黒土で、日本で教わった技術がどこまで応用できるのか、試してみたい。



それにこの国の人たちに日本のブドウを食べてもらいたいし、モルドバの農家が日本に来て日本式のブドウ作りを学んでくれても良い。ワイン工場を作ってもいい。



成功するか失敗するかは関係なく、これからの人生で楽しみが一つ増えた気がする。これからはこの国の人たちに誇れるブドウ作りをしたいと思う。私にとっては、この思いがこの旅最大の収穫だったかもしれない。

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