モルドバの留学生から届いた現地報告

ビデオでモルドバの留学生が現地報告をしてきました。このビデオを制作したのはモルドバから日本に来ている留学生ボクダンさんです。

ボクダンさんは神戸国際大学の4回生で日本語を話せます。経済学を専攻していますが既にモルドバ神学大学を卒業していて将来はモルドバにあるロシア正教の司祭になるお方です。来年3月には卒業して、そのあとはロシアの大学で大学院に入り修士の学位を取得する予定です。今は卒論を仕上げることに忙しそうです。

ボクダンさんは今年3月にモルドバに帰国し、9月末に神戸に戻ってきました。最初は4月に神戸に戻ってくる予定でしたが、新型コロナウィルスの感染状況が悪くしばらく出国ができませんでした。

そのような状況でしたが、ボクダンさんはモルドバで国立大学の友達と親交を深めていたようです。

ビデオの冒頭に出てくるのがボクダンさんです。ひげを生やしてサングラスをかけてドライブしていますので、少し大人びて見えますが、実は付き合ってみるとモルドバ人らしい優しい心の持ち主です。

さて、ビデオに出てくる大きな川はドニエストル川です。モルドバ人はドニストルと発音しているみたいですが、日本では一般にドニエストル川と表記します。1991年旧ソ連崩壊の年にモルドバは独立しました。ところがこのドニエストル川をはさんで国が二つに分かれ1992年にドニエストル戦争が勃発し、現在ドニエストル川の東側は沿ドニエストル［共和国］となって独立を宣言しています。そこは国連の未承認国です。戦争の時約2000人の青年が犠牲になりました。1993年に戦争が終結し、私たちのモルドバ復興支援活動は1994年からはじまりました。

沿ドニエストル［共和国］の地域内にドバッサリという特別市があります。ドバッサリ［特別市］は人口が3万人程度です。モルドバの飛び地のようです。今回のビデオはドバッサリの一部を学生たちが日本に紹介しています。

第二次世界大戦の時はこが戦場となりドイツ軍とソ連軍が闘いました。1992年に勃発したドニエストル戦争もここが戦場になりました。私たちもすでに3回ここを訪問して平和実現のためにコンサートを開催したり、学校の給食施設の修理費を差し上げたり、ドバッサリ［政府］に寄付したりしています。東西の領土統一はモルドバ人の悲願です。なぜならそこには肉親が暮らしているからです。朝鮮半島の南北統一と同じような問題が存在しています。

また、地下トンネルが存在しているようです。そこには、病気を癒す水も存在しているようです。つまり、ここは世界の秘境です。

それから、予告ですがボクダンさんはこれからブログを一週間に一回程度のスピード感で書いてくれるそうです。日本に滞在している間だけでなくロシアに行っても、モルドバに帰国してもブログを書いてモルドバの文化や風景を日本の皆さんに知ってほしいと希望しています。それから、日本からのモルドバツアーを企画・立案してくれています。その時はボクダンさんが日本語で案内して下さるそうです。すごいですね。まずはビデオをお楽しみください。（文：沓澤正明）

なお、ボクダンさんのご挨拶は次の通りです。

日本の皆様、はじめまして。私は日本に留学しているモルドバ人留学生カザク・ボグダンと申します。

モルドバは東ヨーロッパの小さな国です。でもモルドバ人の心は広いです。そこはワインがとても美味しいし、果物が多いし、きっと日本の皆様には珍しい国です。

最近、日本とモルドバの関係がよくなって、日本人とモルドバ人が親しくなっています。

そして、これからモルドバについて少しずつブログに記事を掲載して、皆様にモルドバの文化や風景をご紹介したいと思います。

よろしくお願いいたします。

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