モルドバ訪問のエピソード「いちまつ人形」
高砂ロータリークラブの中尾ご夫妻が昨年7月に京都市国際交流会館で開催した「モルドバ独立20年祭・帰国報告ツアー」にお越しくださった。
同日、モルドバ復興支援協会の高砂地区担当M氏も来ていたのでそこで高砂ロータリークラブの友愛奉仕活動助成金の申請の起案をすることになり、
今般、カザネスティ「子供デイケアセンター」の運営資金として同友愛奉仕活動助成金を使わせていただくことになった。
そして、いよいよ本年3月11日から19日まで2名をモルドバに派遣した。
今回初めて、岡山でぶどうを栽培している青年K君が代表に同行した。
K君からは後日詳細に全行程が報告されるが、一部、エピソードを伝えたい。
先日3月21日、兵庫県国際交流協会のセミナールームの定例会議で代表が話したエピソード。
中尾ご夫妻がいちまつ人形をモルドバの子供たちへお土産として持たせてくださった。
それをK君が神戸からモルドバのカザネスティ「子供デイケアセンター」まで手に提げて持参した。
人形の箱は長さが1m程度の大きな人形である。
壊れたりしないように大切に手に提げて持って行ったのである。
そしていよいよ、センターで箱を開けた。
初めて見るいちまつ人形は神戸からずっと箱に入れられバスや飛行機にゆられながらカザネスティの子供たちの教室に来たのであるが、
代表と一緒に開けた通訳の方が少し驚いた様子で「この人形は緊張しているみたいで怖い顔をしているね」と言った。
箱に入れられた人形は「私はいったいどこに連れて行かれるのだろうか」と心配しているように感じた。皆がそう感じていた。
代表が少し乱れた髪とか着物を手でさわって直して30人ばかりの子供たちの方に向けるとハッと子供たちの息が止まった。
きっと、子どもたちは着物を着た人形を見るのは初めてだったと思う。
子供たちが寄ってきて髪をなでたり着物のすそを引っ張ったりし始めると人形の顔が柔らかくなりニコッと笑ったように感じた。
「子供たちに会ってこの人形は表情が変ったね。
笑っているようです」と代表が言うと、通訳の方も「やさしい顔になっていますね」と同じように言って驚いていた。
そのいちまつ人形を教室に飾ることになった。
それを目撃していた校長先生が、「この人形が笑顔でいるときは、きっと、皆がいい子にしている時だね。
この人形がこわい顔をしていたら、きっと、皆はよくない思いをしていたことがわかるね」と言いました。
すると、4年生くらいの女の子が代表に近づいてきて来て「この人形がいつでも笑顔でいてくれるためにはどうしたらいいの」とたずねてきた。
「この人形は日本から来たので、皆さんが手を振ってくれたり、声をかけて大切にしてくれると、きっと、笑顔になりますよ」と代表が答えると安心した様子で席に戻りました。
(モルドバ復興支援協会 事務局長 沓澤正明)
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