2018年7月17日火曜日

モルドバの生活風景

モルドバの田園風景
モルドバの生活風景

神戸に25才のモルドバ人青年が1人語学研修のために来ています。2016年の夏にモルドバで通訳や道案内してくれました。名前は仮称ですがレッド君。レッド君はもう1年前から神戸に来ていますがすぐには連絡して来ませんでした。きっと自力で生活しようと覚悟して日本に来たのだと思います。

日本モルドバ友好協会はモルドバにいるモルドバ人を援助したり、モルドバとの国際交流が活動目的ですが、日本に在住するモルドバ人への援助は活動対象になっていません。

レッド君はそれを知っていたので1年間自力で努力していたのだと思います。久しぶりに連絡がとれたので会ってみると2年前と全然変わっていませんでした。そして、「日本は生活が仕事中心で家族と生活を楽しむような余裕がないのでかわいそうです」と盛んに言いました。


確かにそうです。モルドバのGDPは日本の20分の1ですので生活に困っているはずですが、それでも、モルドバ人は6月、7月、8月は学校が休みです。みんなダーチャと呼ばれる田舎にある農作業のための家に帰って農作業をします。そこで冬を越えてゆくための保存食を蓄えます。ですから、収入が少なくても生活はできます。

モルドバ人の楽しみと言えば音楽と踊りです。民族衣装に身を包んでラテン系の軽快な音楽にあわせて夢中なって踊ります。食事も家族で楽しみますし、テーブルの上にはブドウやプラムやスイカやブルーベリー、プルーン、メロンなど何かが豊かにあります。パンも紅茶も必ず出ます。食事が豊かです。

我々が訪問した際に披露してくれたダンス

レッド君のご両親はプレチンタというパンのなかにジャガイモのふかしたもの、肉を入れたもに、野菜を入れたものなどを早朝から作って注文先に届けています。

そういう環境に育ったレッド君は日本に憧れてやって来ました。でもアルバイトをしながら語学研修をしてみて日本は仕事ばかりしている特殊な社会構造なのだと気がついたようです。このまま日本に残って就職したいと言う希望もあるようでしたが、私は「ビザが切れる前にモルドバに帰りなさい。そうでないと帰れなくなるよ」と帰国をすすめました。

話は変わりますが、7月16日に私は妻とみやこうせいさんに会いに行って来ました。みやこうせいさんは7月15日にモルドバやルーマニアでの写真活動を終えて帰国したばかりでした。今までの出版してきた写真集を4つ見せていただきました。風景や家畜、人物、生活文化などが写真のテーマです。どの写真も優しさや愛情が感じられました。

確かにルーマニアやモルドバにはレッド君が言うように日本には失われつつある暖かい優しさや愛情が残っていて、仕事中心ではない、豊かな生きる意味があるのではないかと思ってしまいます。(文:沓澤正明)

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