2018年7月24日火曜日

ウリアノブスキ モルドバ外務・欧州統合相の来日講演

ウリアノブスキ モルドバ外務・欧州統合相の来日講演
 
日本とモルドバが活発な友好関係にあることが誰にでもわかる講演がありましたのでご紹介します。ウリアノブスキ モルドバ外務・欧州統合相が来日して活発な外交を展開しています。河野外務大臣と会談して日本モルドバ間の親交を深めるのが最大の来日目的ですが、それだけでなく日本の経済界、メディアに直接語りかけたウリアノブスキ外務・欧州統合相の講演は「顔の見える外交」として大成功と言えるでしょう。なぜなら、日本人はほとんどがモルドバの国も、モルドバ人も、モルドバの言語も歴史も芸術も産業も何も知らないことばかりだからです。
 
201872日日本記者クラブの講演にウリアノブスキ モルドバ外務・欧州統合相が招待され講演しました。インターネットで公開されています。
 
 
 
 

この講演を聞くと日本政府がいかに多大な経済援助をモルドバで実施して喜ばれているかよくわかります。日本の外交はモルドバで信じられないほどすばらしい成果をあげています。モルドバで私たちは政治家と接する機会は全然ありませんが、モルドバではよく聞く話があります。「モルドバで政治家が大成するとしたら日本や韓国との外交でよい実績を残さなければいけない」とモルドバ人たちは言っています。
 
 
モルドバは日本人や韓国人にノービザでの入国を許可しています。私もモルドバを訪問し奉仕活動や国際交流活動をしますが民間人同士の国際交流活動にビザは必要ありません。パスポートさえあればいつでも自由に入国できます。モルドバからモルドバ人を招待して日本で日本モルドバの民間人同士の国際交流をするには日本政府のビザが必要です。
 
 
以前、長野オリンピックの前にモルドバからツウェレンクッツァという「農婦の会」の会長と通訳の学生を日本に招待して車で北海道から神戸まで日本列島縦断2000キロの農業視察というのを実施したことがあります。ところが帰国の飛行機の都合が悪くなって出国が2日遅れました。入国管理事務所に問い合わせると「かまいません」という回答でしたので2日間神戸観光を楽しんでモルドバに帰国させました。すると、後から外務省から連絡があって「外務省に連絡がなかった」という理由で始末書の提出を求められました。「モルドバとの国際交流は難しい」と身に沁みて感じました。でも、何とか1994年以来24年間も民間国際交流ができてよかったと思います。先日も神戸で日本語の語学研修に来ているモルドバ人青年に会いましたが、モルドバで知り合った青年が日本に憧れてやって来るなんてすごいことです。
 
 
私達民間人の国際ボランティアにとってモルドバの政治家や日本の外務省と親しく交流することは簡単なことではありません。直接、モルドバの政治家や日本の外務省に民間人の国際交流をどのように思っているのか意見を伺うことは皆無です。日本モルドバ間の芸術や音楽の国際交流をするにしても政府ができることは民間人がする必要はなくなるわけです。政府がやりたくてもできない分野で民間人がやるのはきっと政府から歓迎されているだろうと思います。もちろん政府がやってほしくないこと、例えば反政府活動はボランティア活動の目的にはなることはありません。
 
 
講演にも出てきますが、日本の大企業が2社モルドバに工場をオープンしました。住友電工は2500人規模の雇用を見込んでオルヘイという都市に開設し、フジクラはガガウズ自治共和国というモルドバ南部の都市に同じく2500人規模の雇用を見込んで開設しました。日本の経団連はモルドバを欧州の玄関と考えて、これからも様々な日本の先端企業の進出を考えているに違いありません。それだけでなく、おそらく旧ソ連圏への進出も視野に入れているに違いありません。なぜならモルドバ人はヨーロッパの言語とロシア語を話すからですそれにモルドバで成功している企業の多くがロシア人経営の企業であるという理由もあると思います。
 
 
モルドバでは自動車はトヨタやマツダがすごい人気ですし、放送用のカメラはソニーかパナソニックが圧倒的です。日本人が全然いないのに日本の製品がよく売れているのはロシア人が販売しているからです。
 
 
それから、日本記者クラブで講演した内容を注意深く聞いていると日本人にとって驚くべき内容がありました。モルドバは1991年旧ソ連から独立すると間もなくドニエストル川を境界線にしてモルドバを東西に分断する戦争がありました。その戦争を平定したのはロシアの若いレベジ将軍でした。親日派で有力なロシア大統領候補でした。日本にも数回来ています。間もなくレベジ将軍が飛行機事故で亡くなり、今日のプーチン大統領が誕生したのです。私は、レベジ将軍は朝鮮戦争でのマッカーサー将軍のような人だったと思います。
 
 
ウリアノブスキ モルドバ外務・欧州統合相はモルドバとロシアが休戦協定を結んだと講演の中で述べています。そして「外国軍が出ていくことがモルドバの平和になる」という意味の説明が繰り返されています。この言葉は日本人が朝鮮半島の平和を考える時のロジックに似ていると思います。つまり北朝鮮はアメリカと休戦協定を結びました。北朝鮮が「朝鮮半島から外国軍が出ていくことが朝鮮半島の平和になる」と繰り返し言っているのと似ていると感じました。そう感じたのは私だけでなく日本の代表的なジャーナリストであればだれでもそのことを考えたと思います。
 
 
私はモルドバの領土統一という悲願に貢献することは、きっと朝鮮半島の南北統一ということへの貢献にもなるのではないかと思います。きっと、日本政府はEUともロシアとも仲良くやっていきたいと考えてモルドバ外交に努力しているに違いないと思います。かつて、ゴルバチョフ元大統領がロシアの民主化を推し進める時に韓国にばく大な資金援助を求めたように、今やモルドバは日本や韓国に資金援助を求めてくるに違いありません。
 
 
そして、韓国がモルドバ人はノービザで韓国入国できる環境づくりを進めていることを考えると、必ずしも日本がモルドバ外交に先行しているとは言えないのではないかと思います。日本は外交に敗北してはいけないと思います。官民あげてオールジャパンでモルドバ支援を続けたいです。
 
写真は昨年のワインフェスティバル。現地モルドバを訪問してみやこうせいさんが撮影しました。(Ⓒみやこうせい、写真の転載を禁じます)(文:沓澤正明)
 
 
 

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