2018年6月5日火曜日

詩人ミハイ・エミネスク

詩人ミハイ・エミネスク
 
モルドバでは詩人は神の使いであるとされています。詩は神の言葉とされ暗唱の対象となっています。就学前から子供たちは家で詩の朗読を覚えます。自己紹介するときも自分の名前を紹介するだけでなく、自分の好きな詩を暗唱します。モルドバの識字率は100%です。詩の朗読はとても美しい文化的伝統であると思います。

モルドバのセントラル公園には多くの詩人の銅像が立っています。公園だけでなく学校の職員室や校長室にも詩人の額が飾られています。
 
 
国民的詩人はミハイ・エミネスクです。ミハイ・エミネスク博物館もあります。
 
ミハイ・エミネスクの詩『星に』はとても有名です。それを住谷春也先生が翻訳しています。2003620日、モルドバ復興支援10周年記念コンサートを神戸市立生田文化会館で開催した時に、東京に来日中のモルドバの女優ダニエラ・ムドリアクさんを神戸にご招待しました。その時に『私、祖国モルドバ、ルーマニア語の詩』というメッセージを頂戴しました。その時に朗読して紹介してくれたのが住谷春也先生の翻訳による美しい日本語でした。
 

星に
 
のぼってきた星に
みちのりは長かった
光がここにとどくまで
いくせんねんが すぎたことか
 
あるいははるかな こんいろの くうかんに
星はすでに ほろびたのかもしれない
そうして その光がようやく今
われらの目に うつるのか
 
死んだ星のおもかげが
ひめやかに空にのぼる
まだ見えないときに それはあった
すがたの見える今日 それはもうない
 
ちょうどそのように おもいが
夜のおくへ さえるとき
すでにほろびた愛の光が
なおもわれらに つきまとう
 
 
 
追記:写真はセントラル公園の銅像と国立図書館にあるミハイ・エミネスクが布で作成した自画像
(報告者 沓澤正明)


 

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